2016/01/22
独創性の塊!葛飾北斎の弟子、
浮世絵師 昇亭北寿のかなり個性的な作品たち
江戸時代後期の浮世絵師 昇亭北寿(しょうていほくじゅ)。
風景画を得意としていた浮世絵師で、筆者は知らなかった
浮世絵師なのですがなかなか素敵です!北寿の風景画。
昇亭北寿は葛飾北斎(かつしかほくさい)の門人で、
北斎の洋風版画を引き継いで作品に生かした人物。
空を広く描く作風も特徴なんだそうで、空に浮かぶ雲も
作品によって様々な描き方をしているから面白い。
技法がピカソなどのキュビズム(立体派)に通じるところが
あるそうで、かなり先駆者的な人物であったようです。
キュビズムの始まりは1907年以降からで、北寿が生きて
いたのはそれよりも前ですから、西洋の影響というよりも
独自でその手法にたどりついたのかもしれません。
Japaaanでは一度、昇亭北寿の作品を紹介して、
それがこちらの作品。小さく細かく描かれる人物たちの
可愛らしさがたまりませんでした。
昇亭北寿「上総九十九里地引網大漁猟正写之図」
めっちゃ愛らしいっ!浮世絵の風景画に写り込む
「あの人ら」が可愛くてたまらない
浮世絵には美人画、役者絵、春画などさまざまな種類が
ありますが、名所絵・風景画はそのなかでも人気の
高かったジャンルだったそうです。そして名所絵・
風景画には私が「あの人ら」と敬意を込めて呼ぶ人物た…
昇亭北寿の風景画で特徴的なのは、山や崖などの形を
非常にシンプルになるまでそぎ落として描いている点です。
とっても独創的な描きかたでどこかポリゴン化された
ような? 雰囲気も感じます。
でも雲や木々の描きかたは西洋風で、やわらかく繊細に
描かれている。こういった様々な描きかたが一つの作品に
見られるのがとっても個性的で面白いですね。
昇亭北寿 on Wikipedia
昇亭北寿 | The Metropolitan Museum of Art
(ライター:
増田 吉孝)
http://mag.japaaan.com/archives/34881