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戦国物語
戦国物語_c0072801_0201892.png
『足軽六蔵奮闘記』 長編

 時は戦国。地方に勢力を張る神保武蔵守惟道
(じんぼ むさしのかみ これみち)は周辺の各勢力と
争っていた。
 足軽大将の六蔵は、神保家臣、茅部図書大允道伸
(かやべ ずしょのたいじょう みちのぶ)の家来だった。
 敵地へ攻め込もうと茅部部隊が行軍中、先鋒の六蔵は奇襲を
危惧して斥候(物見)派遣を進言するが、強気の茅部は
却下した。
「こっちは大軍だ。劣勢の敵にびくついては戦にならん」
「劣勢ゆえに敵は反撃を試みると思われます」
「大丈夫だよ」
「その根拠は」
「・・・・こっちは攻める必要がある。大殿の命令でもある。
命令を聞いてくれよ」
「・・・・御意」
 六蔵は他の者と相談して複数の斥候を送り出したが、
独自では人数は限られ、戻って来ない。
 山道に差し掛かると、部隊後方の本陣が敵の奇襲を受けた。
本陣は潰走するが、茅部与力の須田長一郎貴己
(すだ ちょういちろう たかのり)が殿軍として活躍し、
六蔵の小隊も本陣に駆けつけて奮闘、 茅部も無事に逃げ延びた。
 大失態となった茅部は領地減封で一時謹慎の一方、須田は
神保から評価されて茅部領の一部と隣接する東部の城一帯を
任された。



 規模縮小となった茅部の家来達の多くが解雇されると、
六蔵は顔馴染みの須田に誘われて、従って来た若い
弥助と吉兵衛共々家来となり、心機一転で引き続き
戦では先鋒を請け負い、内政についても領内開発と
蓄財の必要性などを進言する積極性を示した。
 念入りな須田の策をもって頑強な森柳、乙羽両家への
東部攻略も順調に進み、それに伴って須田は加増され、
戦での活躍に六蔵達も須田から感状を受けた。

 やがて策を元に現場を指揮する陣代となった六蔵は、
新旧家来への支度金など経費で須田から借金をしつつ
各地で奮戦したが、須田は領地固めと称して旧茅部領を
神保に返上、緊縮策を理由に家来達の減俸を行った。
「勢力は拡大して増収になっているはずなのに、
頭(かしら)、こりゃどういうことですか」
「ただでさえギリギリなのに、ひでえ殿がいたもんだ」
不満と不安を示す弥助と吉兵衛に、六蔵は茅部須田共に
暮らしを保証してくれた恩人であるとしてなだめ、
「おまえ達の俸禄は俺が払う役目だ。今回の措置は俺が
融通利かすよ。心配すんな」
 と、減俸はしないことを伝え、引き続き東部攻略に従事した。
「恩賞も無為のままでは手に入らぬ。
まずは手柄を立てるべきだろう」
 六蔵は陣代の立場を活かして、須田の部隊を極力増員させる
と、「戦は策と意欲、気力で決まる」として、対森柳戦も
いつもの小競り合いで済ませず、森柳側の裏をかいて、
引き返すと見せかけて無理やり森柳領内へなだれ込んで、
そのまま本城を奪って一族を捕らえ、一部を西の乙羽国境へ
引き返させるも、返す刀で別方向から乙羽領内へ進んで、
これも一気呵成に城へなだれ込んで一族を自害に追いやり、
森柳乙羽両家は滅亡した。
 あっけない両家の最後に須田軍は狂喜し、神保もまた感心して
占領地をそのまま須田に任せた。六蔵もこの決着に大いに
安堵した。

 後日、須田の小姓がやって来て、六蔵に借金の返済を迫った。
「一年前に貸した金が未納であると殿が御立腹にございます」
「いや、借りたのは事実だが、期日は決めておらんぞ。いきなり
返せと言われてすぐ返せるなら、そもそも借りておらんわ」
「知らせる役目ゆえ、詳細は存じておりません。
とにかく返せとのことです」
 六蔵は城に出向いて須田に弁明した。
「畏れながら申し上げます。お借りした五貫は、あくまでも
我が家来の辞めた者と新たに加えた者の仕度金に使いました
もので、決して遊興の類ではなく、返済につきましては、
一定期間を持ってまとめてと心掛けておりまして、現状では
未だ難しく・・・・」
「全額でなくてもよい。一年を過ぎて未だ一文も返っておらぬ。
いささか誠意に欠けておらぬか」
 須田は憮然として六蔵を詰問した。
 責める調子の須田に六蔵も苛立ち、
「大殿より与えられた御領地を敢えて返上し、戦によって得た
領地を無きが如く家来への加増も恩賞もなく、緊縮策として
俸禄まで減らすとは、殿は一体得たものをどこへやったの
ですか」
 と言い返し、
「そもそも殿に領内での貸付を勧めたのは、あくまでも開発と
それによる発展を促すためであって、領民から高い利息を
取り立てて殿の儲けとするためではありません」
「大所帯となって人が増えれば費用もかさむ。常に策を講じて
準備に追われる苦労などわかるまい。そうか、不服ならば
他家に移ってもかまわんぞ」
 と、須田は取り合わない。
「・・・・すっかり御立派になられましたな・・・・」
 六蔵は、やむなく毎月一定額を返すことに同意した。
 困った六蔵は吉兵衛一人を須田領内に連絡役として残しつつ、
弥助と共に非番などを利用して、須田領内の簡単な仕事に
こだわらず、領外でも仕事を請け負って日銭を稼ぐことを考え、
自身も借金の返済や弥助達への俸禄に当てるべく、茅部からの
紹介を受けて、茅部の同僚でもあった永木隠岐守の要請で
砦警備や他雑用をこなした。しかし、永木もまた借財多く
支払いは滞った。

 須田の命を優先しつつも仕事は重複もあり、須田は機嫌も
悪く、陣代用に貸し与えていた馬も取り上げた。
 元々六蔵自身が直接受け持つ部隊は小規模なため、陣代用の
馬も荷駄に使われていたが、それが一頭でも減らされたことに
弥助達も腹を立てた。
 敵勢力は森柳乙羽両家だけでなく戦は終わっていない。
 新たな攻略に移る必要があったが、須田の戦への取り組みは、
六蔵に策を授ける以外は目付役を付き添わせて、決めたこと
以外は許さないという厳格さを強め、「違反あれば減点する」
と伝えてきた。
「違反とはなんぞ? 一体何が問題というのか」
 六蔵も思わず声を荒げた。
「先日のように勝手に軍を動かすな、てことですかね」
「大勝ちも認めねえのかよ」
 と、弥助も吉兵衛も考えるが、腑に落ちない。
 六蔵は“雁字搦め役”に不満はあったが、何よりも、
(減点とは何だ? 減俸か?)
 これまで他人に点数を付けるという発想が無かった六蔵は、
須田の意外な発言と知られざる一面を知って衝撃を受けた。
「もしや我らを辞めさせるよう仕向けているのでは?」
 弥助も吉兵衛も疑念を示した。
「やるべきことは山とある。この時期に人減らしなど
本末転倒だろう」
 と六蔵は返したが、これまで討死したり過労と思える短命の
城主が何人もいた。
 須田がそれを知らぬはずもなく、ある程度出世したら
潔く隠居を選ぶのも身の処し方として悪くはない。
(殿自身がやめるとなればあり得るな・・・・)
 以前のような気安さも加増も恩賞もなく、ひたすら素っ気ない
上意下逹に従う中、立て続く戦に心身の負担も募り、六蔵も
我慢の限界に達した。
 ようやく借金を返し終えると、永木領での仕事を当てとして
六蔵は移る覚悟を決めた。
「長らくお世話になりましたが、最近は体調不良も続きまして、
足手まといになりかねず、思い切ってお暇を頂戴致したく・・・・」
「そうか・・・・俺もやめようと思っていたところだ。
腹心に辞められたら大殿にも言い訳が立つ」
 須田は静かに笑みを浮かべた。
(やはりそうか・・・・)
 六〜七年か七〜八年か、記憶も曖昧なまま、六蔵と弥助と
吉兵衛は長らくいた須田の下を離れて永木領に移ることにした。

 永木は酒の席では鷹揚だが、仕事になると優柔不断な反面、
性急で苛立ちを隠さず、気に入らなければ瞬時に怒りを示す
激しい気性だった。
「おい、雑談してる場合か、警戒を怠るな!」
 見廻りで怒鳴りつけ去って行く永木に、
「支払いは滞っても威張ることは忘れねえってか」
 六蔵達は苦笑した。
 長年神保家に仕える身でありながら、新たに六蔵達を
頼むのは、これまでの家来達が嫌気がさして逃げたためで
あることは六蔵達にも容易に察せられた。
「一難去ってまた一難か・・・・」
 六蔵達は当てが外れた思いだったが、吉兵衛は幼い子持ちで、
弥助は老いた両親がいる。
 何より自身も先が見えない。背に腹はかえられない。
東部戦線と違って戦の危険もないことから、当面は
続けることで三人一致した。
 しばらくして永木達による砦警備も解任となって、
代わりに紹介された物資運搬に従事することになり、
六蔵への支払いも、更に不定期で小出しにされることが増えた。
 永木領に移ってからは、密かに神保城下の商人から借金をして
弥助と吉兵衛への俸禄を補っていたものの、返済も進まぬまま
二年程過ぎて一定額を越えると、商人も渋り出した。
「もはや維持するのも困難だ。本来ならば城主の下での
お勤めが常道だが、それも叶わず転々として苦労させて
しまった」
 六蔵はこれまで従ってきた弥助と吉兵衛に詫びると、なけなし
の銭や持ち物を分け与えて解散することを伝えた。
「おまえら二人はまだ若いし、気力次第で暮らしも上向くはず
だ。もはや立場も弱いが、今後も出来るだけ協力するから、
何か必要なときは声かけてくれな」
 六蔵は借金で持たないことを理由に、永木に辞めることを
伝えた。六蔵達の献身で永木自身が助かったのは間違いなく、
辞めれば永木の一族も困ることは明白だったが、どうにも
ならない。永木は泣きそうな顔を堪えるように無言で頷いた。

 六蔵は永木領を離れて、戦も無縁そうな神保城西北の
山村に移り住んだ。 農作業を手伝い、やはり招集がかかれば
一足軽の立場という暮らしに甘んじて二年が過ぎた。
 借金返済は続いて貯めこむことも無理だが、気楽な一人身で
あり、定期的に神保城下の商人宅に借金を返しに行った。

 神保家本城は、北と西を山、東南は後々まで城下町の発展を
見込めそうな平野が広がっている。
 以前は北の山城が本城だったが、勢力拡大によって、物流に
利便性のある南北を通る街道と、南にある東西を結ぶ街道にも
近い現在の平地に築城された。また、一部を街道に沿うように
南北に流れる大平野川は近隣の川の主流で、北の山から木材、
南からは米や織物という具合に、水運航路として役立てられて
いた。
 神保家の拡大に伴って、神保城下もまた街道と水路が
行き交う一大商業地に育っていた。

 途上、久々に弥助に会った。
 弥助も吉兵衛も今は神保城下に暮らして、六蔵と
同じく、いざとなれば足軽という暮らしだという。
互いに再会を喜び、酒屋に寄ると弥助は近況を
話し、城下に流れる噂を六蔵に教えた。
「俺らが辞めてからは東部戦線での城の動きは鈍くて、
せっかく奪った森柳乙羽の旧領の大半は敵に奪われて、
再び攻めるも撃退されて、二年前に殿は城主を
解任されたそうです。その後は神保城下に御屋敷を
構えて隠居されたそうで」
「二年前? 殿は辞めてなかったのか」
「大殿が期待して引き止めたんですかねぇ。
以前と違って事が進まないので、実は殿は病気で
動けないとか、討死して影武者になったのでは
ないかともっぱらの噂でした」
「・・・・もはや気力無しか・・・・」
「まあ、たしかに、須田の殿様ががんばったって
天下人になれるわけでもないし、
神保家の一人でしかないですもんね。
謀反でも起こせば別だけど」
「城持ちなりたし、命は惜しし、かな」
「それにその後は若い娘の出入りが頻繁だって
いうし、殿は独りもんでしたっけね」
「そういえば、御正室は無かったようだな」
「戦からも解放されて、持てる財力で
女狂いにでもなったかな。いいなあ」
「・・・・弥助も吉兵衛も出世は考えねえのか?」
「まあ、機会あれば・・・・頭(かしら)はどうなんで?」
「うん・・・・なんだか疲れちまってなあ」
「『戦は策と意欲、気力で決まる』って言ってたのに?」
「ふん、覚えてたか」
六蔵は苦笑した。
「一所懸命で済むならまだしも、
立場は人を活かしも殺しもするよなあ」
「誰と関わるかでも変わるだろうし、
それも運と言われりゃそれまでだけど・・・・」
「おまえらも運が悪かったなあ」
「悪いとは思いたくねえですよ。自分なりに
頑張って来たし、後悔はねえですよ」
「うん、そうだな・・・・」
 六蔵と弥助は店を出て別れた。

 しばらくして、須田の屋敷が火災に見舞われた。
「屋敷は全焼とのことで、滅亡した旧森柳乙羽の残党が
仕掛けたのではないかと言われています」
 久々の神保城下の酒屋で、弥助と吉兵衛が揃って
六蔵に知らせた。
「軍勢がこの城下まで来たってかい?」
「・・・・まあ、たしかに敵の軍勢がここまで
入り込んで来るわけないですよね」
 と吉兵衛が笑った。
「元城主の御大尽だからな。敵どころか家来や元の領民から
恨まれてもおかしくあるめえ」
「・・・・てことは、下手人はこの中に・・・・?」
 弥助が楽しそうに六蔵と吉兵衛を見た。
「おいおい、捕まったら磔か晒し首だろうよ。俺はやだよ」
 六蔵が苦笑し、弥助と吉兵衛も笑ったが、弥助が、
「いえ、ちょいと見に行ったんですがね、燃えたのは
中の屋敷で、門とか塀とか蔵とか、周辺は無事でしたよ。
全焼だったら周りの屋敷も、それこそ城下町自体が
危なかったでしょうね」
「火付けだったら門や塀が焼けるんじゃねえか?」
吉兵衛も疑念を示し、
「だったら中から燃えたってことだよな。単なる失火か、
家来の誰かが火を付けたか・・・・少なくとも俺ではないな」
 六蔵が弥助をチラリと見た。弥助は吹き出し、
「分かってますよ、俺ら全員無罪ですからね!」
 と、三人は笑った。
「まだ世間は戦の最中だ。のんきに遊んでいると
思われたり、ましてや大殿に目をつけられたら
一大事だからな」
「・・・・つまり、世間の羨望を逸らそうと、
殿自らが一芝居打ったと?」
吉兵衛が六蔵を見つめた。
「・・・・」
 六蔵は澄まして杯を傾けた。
 須田は城下を騒がせた責任を取って、しばらくすると
城下町から離れたところに小さな屋敷を建てて
住居にしたという。

 神保はその後も、各城主を変えながら着実に版図を
拡大させて行った。茅部も転封して城は無いが、
今も家臣としてがんばっているらしい。
「茅部の殿はしぶといなあ」
 六蔵は笑った。
 城下の酒屋で仕官が叶ったと弥助が知らせた。
「ほう、決まったか」
「元は須田様の家来と知らせたら、意外と簡単に
話が通りました。やっぱり当時の活躍ぶりは
よく知られてるようですね」
「で、吉兵衛はどうした」
「吉兵衛はまだですが、色々巡ってるようですよ。
頭(かしら)は?」
「もう頭じゃねえよ・・・・このまま死にそうだなあ」
「知る限りでは七十八十でも戦で張り切る者も
いるようですよ。それに比べりゃぁ・・・・」
「それはまさに己を活かす立場なんだろうさ」
「また戦場で華々しく活躍して手柄を立てて
出世してぇなあ」
「その気構えならおめえは大丈夫だよ。しぶとくな」

 隣家の老夫婦の薪割りを手伝いながら六蔵は、
「どこかに仕官しようかな・・・・」
 ふと考えもよぎるが、特に当てもない。
 何より気力が湧かない。
 弥助と吉兵衛のそれぞれ仕官が叶うと、
やがて関わりもなくなり、六蔵はほとんどを
農民として単調な日を送って行った。

 しかし、この後、神保家は後継者を巡って
内部対立が進み、敵対勢力も介入して
各地で小競り合いが起き、
神保家は後退を余儀なくされ、
勢力図は再び大きく変化した。
弥助の主と吉兵衛の主は対立し、
六蔵もまた近所の領主の命令で、
境の警備に足軽として加わった。

ザ・クロマニヨンズ 『どん底』


by huttonde | 2017-07-23 00:16 | 漫画ねた | Comments(0)
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