2014年6月4日
【父親を殺害した画家】約40年間、
精神病院で絵を描き続けたリチャード・ダッドの作品
by pp
イギリスの画家
リチャード・ダッド(1817-1886)さんの
作品をご紹介します。画家としての才能は早熟で、20歳で
入学した王立アカデミー・スクールでは素描でクラスの中で
1位、才能が傑出したようです。
しかし26歳ごろに精神に異常をきたし始め、実の父親を
散歩中にナイフで刺殺しています。「自分はエジプトの神
オシリスの下僕であり、その命を受け父親に変装した悪魔を
刺し殺した」というのが犯行の動機です。ヨーロッパや
中東に旅行に行った頃から妄想を抱くようになったと
言われています。
その後、フランスへ逃亡し、オーストリア皇帝を含む多くの
人を殺さなければならないと信じ、殺人未遂で逮捕される
ことになります。
上は代表作とも言える「お伽の樵(きこり)の入神の一撃」
(The Fairy Feller’s Master-Stroke)という作品の細部です。
逮捕後、王立べスレム病院付属犯罪者精神病院に収容され、
病院の中で10年かけてこの絵を完成させたといわれています。
重厚感ある色彩と複雑に入り組んだ階層は見応えがあり、
画面の隅々まで描かれた超密度の作品です。
こんなに描かれているにも関わらず、未完成だそうです。
こちらが全体
The Fairy Feller’s Master Stroke
Richard Dadd, 1855-1864
Öl auf Leinwand, 54 cm × 39,5 cm
Tate Gallery
The Fairy Feller’s Master-Stroke – Wikipedia
対立・オベロンとティターニア
狂えるジェーン
バッカス祭の情景
バック
夕べ
1844年にべスレム病院付属犯罪者精神病院に入院した
20年後、1864年にバークシャーのブロードモアに新設
された犯罪者精神病院へ移送され、42年の間病棟で
絵を描きながら過ごし、1886年肺結核で亡くなっています。
享年68歳でした。
置き場
リチャード・ダッド (夢人館8)
http://plginrt-project.com/adb/?p=26636
Richard Dadd - YouTube