2016年7月16日
1人の郵便配達人が33年かけて作った石の建築物
「シュヴァルの理想宮」
フェルディナン・シュヴァル)が33年かけて作った石の
建築物「シュヴァルの理想宮」という建物です。
フランス南部にある片田舎のドローム県オートリーブに
あります。
ご存知の方も多くいらっしゃると思いますが、この建築物は
フランスに存在し、当時、郵便配達の仕事をしていた
シュヴァルは仕事が終わると毎日黙々と石を積み上げた
そうな。ちなみに石工や建築の知識などは
一切なかったそうです。
なぜこんな建物を作ろうと思ったのか、それは仕事中に
変な形の石につまずき、その奇妙な石の形に魅了されたから
です。その出来事をきっかけに石を収集することになり、
台車を使い集めた石を積み上げ、この「理想宮」を
作りあげました。
1879年、43歳で始めた「理想宮」作りは33年後の1912年、
76歳の時に完成し、現在ではフランス政府により国の
重要建造物に指定され、修復も行われています。
情熱や執念に似た感情が石の集積から伝わってきますね。
サイズは大きさ横幅26m×縦幅北14m、
南12m×高さ10mです。
近くで見ると、石のほかに貝殻なども装飾として使われており、
動物や奇妙なフォルムの人物たちの彫刻作品も建築と
一体化しています。
こちらは当時、Joseph Ferdinand Cheval(フェルディナン
・シュヴァル)が作業している様子を撮影した写真です。
台車を引いている姿や木の足場で作業してる様子が
わかります。
「理想宮」自体は実際にする家ではなく、お墓としての
役割を想定してそうですが、法律や教会の反対によって
不可能になり、教会にある墓を用意し、そこにまた小さな
「理想宮」を1914年から1922年までの8年間を費やし
制作しました。この墓は「終わりなき沈黙と休息の墓」と
名付けられ完成した2年後にその墓に入ることになります。
Palais Idéal du Facteur Cheval à Hauterives
郵便配達夫シュヴァルの理想宮 (河出文庫)
岡谷 公二
夢の実現するところ
―郵便配達夫シュヴァルの理想宮に捧げる
宮脇 豊 ギャルリー宮脇
http://plginrt-project.com/adb/?p=16501