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戦国物語 三十
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足軽六蔵奮闘記 三十

 久々の須木江攻めを控えて、本城では
宗善麾下の家臣や足軽達が、せわしく準備に
勤しんでいた。
 宗善も執務室で書状の整理をしていたが、
気分はすぐれない。
 宗善は本城の援軍として須田城での評定に
加わって以来、当初は父左兵衛の忠告に従って
おとなしくしていたものの、東部戦線の早期決着を
望み、自身も役に立ちたいとの思いが高じて、
やがて積極的に持論を述べたり、六蔵を紹介して
盛んに献策したが、東部三城の 家臣達との意見の
相違や、左兵衛の差配による少ない援軍、
更に須木江と屋久の他、周辺敵勢力や森柳乙羽の
旧臣達への調略が不調であることも気を重く
させていた。
(目論見通りには行かないもんだなぁ・・・・)
 敵に新たな加勢がなければ、ほぼ互角の
勝負となるだろう。事前の策で敵を寝返らせるなど
敵戦力を削ることは必須と思われたが、
「俺に書状は来てないか」
 近習頭の山中正次郎に尋ねると、
「いえ、一通も来ておりません」
「一通もかぁ・・・・俺の言い分より
向こうのしがらみか・・・・」
 意欲はあっても望み通りとはならない。
 落ち込んだような様子の宗善に、
正次郎は静かに笑顔で、
「・・・・とはいえ、相手は敵ですから、
彼らも生き残りに日々策を立てて、
話し合いもしているでしょう。
我らを憎き敵とすれば、無視は無論、敢えて
挑発する返事をすぐさま送り返して来たとしても
不思議ではなく、内膳様の実直な、誠ある書状に
彼らも迷い、対応を慎重に考えている最中かと
思われます」
「うむ・・・・そうだといいんだが・・・・」
(この調子では戦も危なっかしいな・・・・)
 しばらく外に目をやっていた宗善は、
「親父は今どこにいる。城にいるかな」
「左兵衛様は・・・・散策から帰城されて
おられるはずですが・・・・」
「よし、ちょっと会ってくる」

 宗善が左兵衛の居間に行くと、左兵衛は
いつものように帰って風呂上がりの楽な姿で、
扇子であおぎながら外をながめていた。
「父上」
「どうした。兵は出せんぞ」
 左兵衛は背を向けたまま、宗善の出鼻を
くじくように一声から釘を刺した。
「・・・・父上、敵兵力は三城とほぼ互角と推測
されます。戦をするからには、まず勝つための
準備が必要で・・・・」
「内膳、しっかりせぇ。わしゃ受け持っておらんぞ」
「三城に任せたのは父上では」
「そうだ。東部三城は東部を任せた。南部は南部、
西部は西部だ。本城ではない」
「しかしながら、本丸様の初陣を兼ねて、
本城が諸城を糾合して南部に出張ったことも
ございます」
「そりゃ事情が違うでなぁ」
 左兵衛は鬱陶しそうに扇いでいる。
「・・・・東部三城が式部大輔(しきぶたいふ)様を
支持した疑いありとして、父上は御自身に
逆らったことを根に持っておられるのでは・・・・」
「詮索か・・・・悪くはないが、それはそれ、
これはこれだ。足らんぞ」
「ではなぜ・・・・」
「我ら三城をもってすれば、須木江も屋久も
何事かあらんや、目にもの見せてくれようぞ、
こんな具合だろう」
「なぜそれを・・・・」
「大方察しはつくわぃ。自信があるなら問題
あるまい」
「・・・・茅部須田豊地と、実兵は一千二百程。
我が本城援軍は四百で合わせて一千六百。
敵もほぼ互角であろうと推測されております。
到底必勝の備えにあらず、調略も不調に
ござれば力押しの戦をせざるを得ず、なれば当然
敵に倍する以上の兵力をもって臨むべきと存じます」
「倍以上が敗れることは珍しくもないがなぁ」
「・・・・父上、真面目に願います」
「おまえの本城出兵の要請は、三城の要請か」
「いえ、私の考えで・・・・」
「おまえは援軍に過ぎない。立場を自覚して
出過ぎるな。何度も言わすな」
 長話は迷惑とばかりに左兵衛は苛立ちを示した。
「・・・・では、三城の総意であれば了承されますか」
「諸城が困れば本城が乗り出す。そうでなければ
任せる。今までも、これからもだ。それでよかろうが」
「わかりました。では、須田城へ行ってまいります」




by huttonde | 2019-08-28 20:25 | 漫画ねた | Comments(0)
戦国物語 二十九
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足軽六蔵奮闘記 二十九

六蔵参陣

 六蔵と五郎左ら六人は、石峰城西方の緩やかな
山道を歩いていた。
 皆揃って胴丸甲冑に陣笠、腰には大小二本を差す
といった実戦に近い装備で、石峰領内の地形などの
把握を兼ねた行軍訓練だった。
「以前よりも疲れが早いようま気がするな。
やっぱり体動かさねえと鈍っちまうな・・・・」
 六蔵が息苦しそうにぼやくと、
「さすがに歳なんじゃねえですか」
 と吉松がからかうように言うが、朝から昼近く
まで緩急ある山道を歩き通しのため、
皆一様に疲れが顔に出ている。
 この行軍は石峰軍勢としての共同訓練ではなく、
六蔵の発案による、六蔵とその家来による限定
されたもので、須田城への往復で脚力、足の弱さを
自覚して、改めて基礎を養おうと判断した結果だった。
 城には事前に事情を説明して了承を得ている。
「いざ戦で疲れたら、それこそ命取りだからな。
だからこそ、たまにはきついことした方が
自分のためになるってわけさ」
「それはごもっともだけど、ちょっと休憩
しませんかねえ」
 吉松は口調こそ明るいが声量はなく、
彦六も勘八も苦痛の表情になっている。
 まだ夏とはいえないこの時期も、強い日差しの
下での長距離の行軍では、全身から汗が吹き出し、
六蔵達の体力を奪う。
 松林の一帯を抜け、しばらくして見晴らしの
利く高台にたどり着くと、
「よし、しばらく休憩しよう」
 と、六蔵は笠を外して、道端の草むらに倒れこむ
ようにして大の字になり、同じく吉松と彦六と勘八も、
「はぁ〜きつ〜」
 と、辺りにぐったりと横になった。
「なんだ、頭も伸びてるじゃねえですか」
 吉松の言葉に六蔵は虚ろな目で、
「そりゃそうだよ、無理したからな」
 と力無く答えて、大きく息をついた。
 五郎左と彦三は座り込んで、目の前に広がる
村を見渡した。田畑が広がって所々に民家が
点在する景色は、石峰城から見える景色と
変わらない。
「・・・・十年前に比べると家も増えたな」
「ただの野っ原が田んぼに畑だからな」
 五郎左と彦三は竹筒の水を飲んだ。
「そういや二人とも近所だっけか」
 のっそりと上半身を起こした六蔵が聞くと、
「いえ、もうちょい城に近いですが、
何度か遠出してある程度知ってたんで・・・・」
「そうか・・・・石峰界隈も着実に発展してるわけだな」
 六蔵達はしばらく無言で村を見渡した。
 やがて六蔵が空を見上げて、
「この陽気では夏はきつかろうな」
「夏も冬も戦は避けたいもんですね」
「訓練も疲れないのがいいなぁ」
 彦三と吉松のつぶやきに皆苦笑した。
「戦も無ければいいのになあ」
 彦六もぼやくと皆一瞬無言になるが、
やはり失笑して、吉松はあきれたように、
「それじゃあ俺らが家来になった意味ねえだろ」
「いやぁ、戦も色々あるし、
死ぬような目に遭いたくねえもん」
「いやなら雑兵で済ませるべきじゃねえのか」
 吉松は憮然とした。
 六蔵は笑って再び横になり、
「出世したいが死にたくはなし、だな。無理もねえや。
だが、本当に土壇場になったら死にたくねえなんて
考える暇もねえぞ。もう無我夢中で、その後に死んでるか
生き残ってるか・・・・死んだら寿命だよ」
 彦六は納得できない様子で、
「頭は諦めがいいんですか。俺はそんなに
割り切れねえです・・・・」
「だからさ、いざ戦となったら、考えてる余裕が
ねえんだよ。頭真っ白で突撃したりやるかやられるか、
そりゃもう必死だよ。かかれ〜、ぶっ叩け〜、
ぶっ刺せ〜てな調子だよ。心配無用」
「ん〜頭真っ白かぁ・・・・」
 六蔵の意に介さないような言葉が、年配者に
ありがちな、不都合は無視する雑な割り切りと
彦六には思えた。
 五郎左達五人は死の危険が伴う過酷な戦の経験はなく、
実感が湧かない。
「頭が森柳や乙羽を攻めたときは真っ白だったんですか」
 彦三のボソッとした問いに、
「あー・・・・あれはなあ・・・・」
 と六蔵は答えあぐねたが、
「評定でも聞かれたんだが、追撃は夢中になった
結果でな。場合によっちゃ返り討ちで大勢
死んじまったかもしんねえ。運がよかったんだな。
だが、真っ白だから出来たことでもある」
 追撃をやめていたら、相変わらず森柳乙羽と
対峙する日々だったかもしれない、と思えた。
「死にたくねえと思いながら突撃もあるかな・・・・」
 まだ引っかかっている彦六に六蔵は、
「そりゃあるよ。思っても突撃するんだよ。
死にたくねえ〜うわあ〜って頭ん中で叫んでな。
そのあとぁそれぞれだ」
 軽く笑ったが、六蔵以外に笑顔はなかった。
 と、馬の走る蹄の音が遠方から聞こえてきた。
 やがて坂下から、男の乗る馬の姿が視界に入り、
目の前に走り来て騒々しく馬を止めて、
「石峰六蔵様御一行とお見受け致す」
 と大きく声をかけて来た。
 起き上がった六蔵も声を張って、
「いかにも、六蔵にござる」
 男は馬から降りると一礼し、
「修理様より、至急帰城されるようにとのこと」
「おう、承知した」
「では」
 男は再び馬にまたがると、せわしく来た道を戻り
走り去って行った。
「・・・・至急ったってなあ」
 すぐ城にたどり着く距離でもなく、
既に急げる体力はない。
「こっちの都合は城も知ってるはずだからな。
まあ、ゆっくり帰ろう」
 と、六蔵はあくびをして再び横になった。




by huttonde | 2019-07-13 02:30 | 漫画ねた | Comments(0)
戦国物語 二十八
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足軽六蔵奮闘記 二十八

「では、石峰殿に改めてお伺い致す」
 昼前での六蔵による森柳乙羽連合軍との攻防についての
説明では、重臣達は黙って聴いていたが、休憩を終えて
評定が再開されると、下座の若い重臣達が、次は我らの
番と言わんばかりに質問を繰り出してきた。
「佐野金四郎(是秀)と申す。石峰殿の戦働きは尋常
ならざるものと感服致しており申す。しかしながら、
独断専行の謗りもまた免れ得ず、主君の命に背いたと
される判断について如何お考えか」
「・・・・その件につきましては、これまでも度々話して
まいりまして、結果をもって良しとの結論で落着と
相成りました故・・・・」
 六蔵から見れば金四郎は、家来の五郎左達に
加えてもおかしくない風貌で、まだ二十代だろう。
評定に出るからには、若手の出世頭といえる。
 豪胆なのか、六蔵への侮りなのか、
口調は堂々として落ち着いている。
「やはり軍勢を預かる重責の身として、
それを違えるは軽率との印象は拭えぬが如何か」
 勝利の功よりも、あくまでも六蔵に不手際あり
とすることに重きを置いているらしい。
「・・・・役目は自覚しておりますれば、戦術においては
現場の我らがよくよく吟味して策を立て、その上で
勝利を得た事実により、何ら問題は無しと心得ます」
 問題ありとする金四郎に、六蔵は口調こそ控えめながら、
問題なしと突っぱねた。
「・・・・須田様の指示は、敵勢力を後方に追いやり、
前線に新たな拠点を構築することだったそうだが、
敵を追いやったのは良いとして、そのまま追撃を
続けたのは、方針変更の下知があった故か」
 城主須田長一郎による事前の指示も冊子に記してあり、
下知の記録はない。
「・・・・記録の通り、変更の下知はございません」
「下知無くして当初の方針、指示を違えるは、
一家臣として厳に慎むべきことでは」
「え〜・・・・仮に砦を作るとしても、人も資材も時も
要ります故、こちらの動きを敵に知られた場合、反撃される
可能性もありますので、急追して後顧の憂いを断つことを
選んだ次第でして、戦況から判断する必要がございます」
 金四郎個人の意地なのか、休憩時に佐武方が示し合わせた
ものなのか、金四郎は執拗に六蔵の責任を問い続け、
六蔵もまた困惑の顔を示しつつも、頑強に迎え撃つといった
様相で、さながら剣の打ち合いを連想させた。
 やがて、言葉に窮した金四郎に代わるように、
もう一人の若手が問い出した。
「岡本正三(定安)と申す。追撃が返り討ちにあう危険を
伴うのは常識でござろう。危険であれば指示を守って
追撃を自重すべきだったのではござらぬか」
「いずれにしても危険であれば、その後の危険を取り除く
ため、被害を避けるためにも、その機を逃さず追撃を
続けたという次第にございます」
「追撃を続けて滅亡にまで追いやるのは
事前の策でござるか」
「いえ、さすがに予想外でして、
まさに天佑でございました」
「予想外ということは、予想せずに作戦変更を
ごり押ししたということか」
「・・・・戦さ場では予想外が付きもので、
常に覚悟すべきものと心得ます」
 黙っていたもう一人も口を開いた。
「浜岡兵衛(吉次)と申す。須田城方としての陣代が、
その方針を違えたとされることについて、須田様は
如何されたか」
「勝利の結果をもって不問にされたと認識しております」
「では、恩賞や加増はあったか。それとも軍規違反
として何らかの罰則はあったか」
「感状を賜りました」
「敵両家を滅亡に追いやりながら、感状一枚という
御沙汰について、如何お考えか」
「・・・・一家臣の身と致しましては、殿にも御事情が
あると思うのみにございます・・・・」
(そりゃあもう、腹は立つけど、
ここで言えるわけねえだろ・・・・)
 ああ言えばこう言い、こう言えばああ言うという
具合に、若き重臣達と六蔵のやり取りが続いた。




by huttonde | 2019-05-22 01:40 | 漫画ねた | Comments(0)
戦国物語 二十七
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足軽六蔵奮闘記 二十七

 翌朝、六蔵と五郎左達の一行は須田城へ向かった。
 六蔵にとって須田城は約五年ぶりだが、
水堀を巡らせた塀も正門も、塀越しに見える
屋敷の屋根も当時と変わりなく、
「久しぶりだなぁ」
と思わず立ち止まって感慨にふけった。
 五郎左達は初めてのため、興味津々に
辺りを見回している。
「頭ぁ、やめなけりゃここで重臣だったんですか」
吉松の問いに彦三は、
「おい、余計なこと言うなっつーの」
と注意した。
「どうかな・・・・臨時だからな。使い捨てだったろう」
 気が進まぬような六蔵の答えに、吉松達は黙った。
 正門に進んで六蔵が門番に事情を話すと、
「お待ちしておりました、どうぞ」
と城内へ通され、城兵の案内を受けた。
 規模は石峰城よりも若干大きく、
平坦な三の丸はより広く見える。
「やっぱり石峰に比べると作りがでけぇし、立派だなあ」
 吉松が見回して感心していると彦三も、
「塀も頑丈そうだよな。あの狭間(さま・矢を射る穴、
小窓)の奥行きといい、鉄砲撃たれても抜けそうもねえや」
 彦三の視線につられて、一行も辺りの塀に目を向けた。
 三の丸の中に所々仕切られた、人の背よりも
高めの塀の端を見ると、かなり分厚い土塀で、
彦三は手で幅を作って、
「・・・・一尺(約30センチ)くらいかな。あれなら中の
詰めもん次第では矢も鉄砲も十分防げるし、もっと頑丈に
なるだろう。石峰の板塀とはえらい違いだ」
 彦三の指摘に他の者も感心し、六蔵も納得して、
「そういやそうだな。俺がいたときは塀も少なかったし、
もっと薄かったような気がするが、補修したのかな。
石峰に帰ったら塀を強くするよう報告しとこう」
「さすが彦三兄ぃ、鋭いねぇ」
と、吉松の軽い肘打ちに、彦三は思わず照れ笑いした。

 二の丸屋敷内での評定は昼前に行われるが、早めの
登城であるため、控えの間で知らせを待つことになった。
 部屋では六蔵が、開け放たれた縁側で外の景色を
ながめていて、五郎左達は六蔵を遠く囲むように
対座している。
「これで頭が評価されたら、更に重用されますかね」
 彦六の誰に言うでもない何気ない問いに、
吉松はぶっきらぼうに、
「だって呼ばれたんだろ? 返しがなきゃ来た意味ねえよ」
と答えるが、彦三もボソッと、
「でも、見返りがあるとは限らねえよ。
義理しがらみから付き合うしかねえとかさ」
 五郎左は笑顔で、
「それでも役に立ちゃ評判も良くなって、
後々はもっと良くなるかもな。ですよね、頭」
「うん・・・・そうだといいんだがなぁ」
と気のない返事で、外に目を向けたままでいる。
「頭が活躍できれば石峰城も名誉だし、
須田城も助かるんでしょう。一挙両得、
いや、神保家全体も得するから三得かな」
と勘八も笑顔だが、彦三は相変わらず浮かない顔で、
「味方といえども、一人の手柄は他人からすれば
無関心か嫉妬の元だよ。目立てば足引っ張る
奴もいるんじゃねえかな」
「なんだぃ、随分悪く取るねぇ」
吉松は失笑したが、
「つい逆を考えたくなるんだよ」
 五郎左は軽くうなずくも、
「仮にそうだとしても、頭は堂々とすべきだろ。
陰険な奴を気にしたらこっちまで駄目になりかねん」
「さすが五郎兄ぃだ。酔ったらしつこいけど」
吉松がぶははと笑い、
「おめえも一言多いんだよ」
五郎左も苦笑した。
 そこへ使番が来た。
「石峰様、評定が始まりますので・・・・」
「はいよ、では行ってくるか」
と、六蔵はよっこらせと立ち上がった。
「行ってらっしゃいまし」
五郎左達が揃って一礼した。




by huttonde | 2019-04-02 01:30 | 漫画ねた | Comments(0)
戦国物語 二十六
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足軽六蔵奮闘記 二十六

六蔵登城

 翌日昼前になると、石峰城の城山修理宛に、
本城の梶谷内膳から書状が届いた。
 内容は、先日の写本献上への礼と、
吉兵衛への賞賛の言葉が記されていて、
このことは吉兵衛にも伝えられた。
「内膳殿は吉兵衛の功績を称え、本城より諸城に
同様の資料作成の要請を決めたそうだ」
「は、誠に光栄なことにて・・・・」
「内膳殿は、行く行くは左兵衛殿に代わって家中を
切り盛りする人物だ。その人物に目をかけられたのは、
吉兵衛のみならず、我ら石峰方、箕山の者として鼻が高い」
「恐悦至極にございます」
「田舎の山城とはいえ、神保家の方針からすれば、
我ら石峰方も無為に過ごすわけにはいかぬ。
準備万端備えるのは当然であるからな・・・・まあ、
それはそれとして、吉兵衛は須田から出る際に
六蔵に従ったわけだな」
「はい、私と、今は豊地城にいる弥助が、
直属の上司六蔵とおりましたが・・・・」
 六蔵との関わりは既に修理には話してある。
「うむ、その六蔵をな、須田城へ招きたいそうだ。
東部戦線について助言が欲しいと。
ちょっと呼んでくれぬかな」
 吉兵衛は六蔵が家来達と槍の訓練場とする
三の丸の大曲輪に急いだ。




by huttonde | 2019-01-31 17:30 | 漫画ねた | Comments(0)
戦国物語 二十五
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足軽六蔵奮闘記 二十五

宗善の熱

 左兵衛が鷹狩りから帰城し風呂から上がると、
居間には宗善が待っていた。
「どうした内膳、珍しいな」
 左兵衛は庭先に向いてよいしょと座り、
胸元を緩めて扇子で扇いだ。
 宗善は背を向けている左兵衛に、
「石峰城から使いが来まして、石峰に関する
資料を受け取りました」
と、書状と写本を左兵衛の手元に差し出した。
 左兵衛はちらりとそれに目をやると、
書状を取り上げて目を通した。
「修理か・・・・久々だな」
「お知り合いですか」
「おうよ、旧知の仲だわ」
 左兵衛は書状を置くと向きを変えて、
「石峰こと箕山家は、我が神保に協力した
西の国人衆だ。戦線拡大に伴って箕山衆は
先鋒として活躍して、内匠助殿は蒼山院
(先代惟道)様の弟分として神保家を支え、
その信頼厚く、妹君は内匠助殿の正室となった」
「存じております」
「城山修理は、その腹心として活躍した
人士でな、我ら神保方と組むべく奔走した
功労者でもある」
「その神保方の折衝役が父上・・・・」
「箕山方の働きに加増もあって、本拠も移して
今の石峰城と改めた。やがて西に出張る際は、
再び彼らに活躍してもらう」
「・・・・西へ出ますか」
「・・・・当面は東南に専念せねばならぬが、
いずれは、な」
 修理は写本を手に取ると、ぱらぱらとめくり、
「・・・・写本か。原本ではないのか」
 写本では信用ならない、と言わんばかりである。
「信頼に足る旧知の仲の者が支える、
信頼厚き弟分の守る要の城を当てにして、
しかも疑うのですか」
「それはそれ、これはこれだ」
 諸々用心を怠るべからずと左兵衛から教えられ、
自身もそのつもりであったが、隙あらば
疑って否定にかかるような左兵衛の口ぶりに、
宗善は不快になった。
「父上の外面の良さは承知しておりましたが・・・・
では、原本と申し上げれば御納得されましたか」
「揚げ足を取るな」
「・・・・本城はこれまで、原本はおろか、
写本を差し出せという指示を出しておりません。
そもそも、これまでも各諸城へ詳細なる資料を
要求しておりません」
「・・・・」
「我が本城の指示ではなく、石峰城が自発的に
調査を行い、写本献上と相成りました。
これは諸城で唯一のことで、石峰方の誠意の一端
といえます。賞賛こそすれ、疑いをかけるのは、
こちらの不実といえましょう」
「言い出しっぺが正しいとは限らんぞ」
「言い出しっぺであり、実行し成果を上げました。
何ら不足はございません」
「・・・・」
「父上が重責を負って家中の政(まつりごと)
を担っておられたこと、重々承知でありますが、
その任に当たるにおいて、家中の者に猜疑の目を
向けることが知れ渡れば、その統率に乱れが生じ、
要らぬ争い、裏切りを生まぬとも限りません。
たとえ不安や不信があっても、家中の者、
家来達へは、信義を通して不信払拭に務めるのが、
上に立つ者の義務と存じます」
 要は、
(じじい、疑うのも大概にしろよ)
という苛立ちである。
「ふん、知った風なことを・・・・」
 左兵衛は小さく鼻で笑った。




by huttonde | 2019-01-17 14:00 | 漫画ねた | Comments(0)
戦国物語 二十四
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足軽六蔵奮闘記 二十四

吉兵衛登城

 神保と須木江・屋久との攻防が続く一方、
西の石峰城では、吉兵衛によって城下領内の情勢を
まとめた石峰地書が半年を経て総仕上げに入り、
原本を元に、城主の箕山内匠助惟光
(みのやま たくみのすけ これみつ)と、
譜代家老格、城山修理大進忠継
(しろやま しゅりたいじょう ただつぐ)に、
本城(神保城)への献本となる写本三部の作成を、
臨時配下となっている物書き頭・山野平四郎と
その部下三名によって進めていた。
「これで評価されれば、領内各地も同様に資料作りが
始まるかもしれません。となれば、先鞭をつけた
吉兵衛様と石峰城の名誉となり手柄となります」
 平四郎は今回の調査で資料の取りまとめを
受け持ち、吉兵衛の片腕として活躍した。
 一方、同じく臨時配下で護衛役だった槍持の
佐島兵吉も、得意の槍捌きを活かして、吉兵衛達の
護衛と山賊取締りに貢献した。彼がいなければ
吉兵衛一行は山賊達に襲われて、どうなっていたか
わからない。
 調査のために二人を付けたのは城山修理の
配慮である。
 人材の層の厚さと、それを見極める家老の存在は、
城にも領民にも望ましく頼もしい。
(田舎の山城とはいえ、侮れぬということか・・・・)
 吉兵衛は半年付き従ってくれた平四郎と兵吉、
選んだ城山修理に感心していた。
 この城に来て以来、中間として家来となっている
地元育ちの武松と正吉には雑用を引き受けてもらった。
「あちこちと付き合わせて煩わしかったと思うが、
おかげで仕事に専念することができた。
二人の苦労にも感謝する」
 吉兵衛が一礼すると武松も正吉も、
「いやあ、滅相もねえです、お役に立てたかどうか
気がかりでございました」
と、苦笑してぎこちなく礼を返した。




by huttonde | 2019-01-13 17:00 | 漫画ねた | Comments(0)
戦国物語 二十三
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足軽六蔵奮闘記 二十三

 入浴後に倒れた左兵衛は、しばらく寝室で
横になって落ち着きを取り戻した。
 見舞いに来た宗善が左兵衛の枕元に座って、
「体を動かし、大いに汗をかけば水分補給は
不可欠ですが、お年を召されると、気付かず
疎かになりがちと聞きます。供の者は
勧めなかったのですか」
 左兵衛は横になったまま無表情に天井を見据えて、
「・・・・そんなことは知っとる。しつこく言われたわ」
「水分だけではなく、塩気を取る必要もあります」
「分かりきったことを申すな」
「ならばなぜ・・・・」
「忙しければ忘れることもあるし、
後回しにすることもあろう。そう大げさに取るな」
「常に先を読み、優先事項を考えろと父上は仰せで
ありました。死んでは先も優先もありませぬ」
 宗善の語気の強さが、いかにも苛立ちを示した。
「・・・・油断した。すまんかったな」
 左兵衛はボソッと答えて、
のっそりと上半身を起こした。
 手を貸そうとする宗善に左兵衛は、
「無用だ」
と、ぶっきらぼうに答え、
「・・・・だが、おまえがどう足掻こうが、
年の功には迫ることも出来ぬ。
そう見くびるもんではないぞ」
と前かがみ気味に、宗善をちらりと横目に見た。
 宗善は澄ました調子で、
「昔から馬齢を加えると申しまして・・・・」
「親しき仲にも礼儀ありだ」
「・・・・言い過ぎました。ただ案じております」
「まだボケてはおらぬ。おまえものぼせるなよ」
 決して仲が悪いわけではない。が、顔を合わせての
会話では、互いの物言いに剣が立ち、宗善としては
心配に嘘は無いが、左兵衛の意固地さに苛立つことも
度々あった。左兵衛もまた宗善を信用して期待している
一方、宗善の口の利き方、言い分に苛立ちを
感じているだろうことは、宗善にもよくわかっている。
(互いに同じ性分か・・・・)
 似た者親子というが、まさにその例に思えた。




by huttonde | 2019-01-13 16:55 | 漫画ねた | Comments(0)
戦国物語 二十二
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足軽六蔵奮闘記 二十二

「戦ばかりが戦じゃないさ」
 須田豊地茅部の三城と、宗善による
東南諸侯調略が大々的に始められた。
 これまで三城はしばらく森柳・乙羽旧領を
須木江と屋久から奪還すべく戦に専念していたが、
三城と宗善の軍議の結果、須田と茅部は須木江、
豊地は屋久を相手に、当主宛だけでなく、配下武将
にも積極的に呼びかけ、更に宗善によって周辺勢力
へも神保方へ加わるよう働きかけることにした。
「我が神保家は拡大方針にあり、反神保が不利に
なりつつあることは天下に自明でござる。故に
丁重に我らへ与することを勧め、妥協すればよし、
そうでなければ後悔することを知らしめ、反神保の
連携を断ち、更に今後対抗し得る勢力へ備えるべきと
存ずる」
 宗善が父・梶谷左兵衛に対して、三城による
東部攻略を本城も援護し、戦での援軍だけでなく、
調略や外交を積極的に用いるべきと提言したことに
左兵衛は了承して任せていた。そのせいか、
三城でも軍議では宗善の献策は同意を得た。
(父の威光か何かは知らんが、こちらの意向には
なったからな。良しとしよう)
 以降、宗善は三城と本城を行き来しては
打ち合わせを繰り返して、敵勢への調略を進めた。

 十数年に及ぶ父・左兵衛の腰巾着から一転、
最近の活躍を知れば、意外に思う者もいるだろう。
「おまえは何事も知らぬ。自覚しろ」
と、左兵衛は時折ぶっきらぼうに宗善に言い放った。
 元服前、あるいはそれからしばらくであれば
まだしも、齢二十歳を過ぎ、三十を過ぎても父親の
腰巾着では世間体も悪く、陰口を叩かれたりと
居心地も悪かったが、左兵衛は宗善を見くびって
いるのか甘やかしているのか、一武将としての
役割を認めず、常に側に置いて身辺の雑用ばかりを
命じていた。
「わしが誰に何を言ったか、相手は誰で何を言ったか
何を決めたか、よく聞いてよく考えろ。理解しろ。
ぼけっと見てるなよ。仕事と思え」
 宗善は元服当時から左兵衛の近習として、
ときには祐筆役にもなった。
 祐筆となれば、下手では話にならない。
書を学び、早く乱れのない書体にする技術も
必要になる。書が得意な左兵衛はこれについても
うるさく口を挟んだ。
 また、左兵衛と家来や来客とのやり取りを見守り、
それが終わると、左兵衛と相手が何を話したか、
その趣旨は何かを答えさせられ、意に添わぬ答えで
あれば一喝された。
 内容によっては前日や数日前の話につながったり、
内政や外交、戦に関するものであったりと多岐に
渡るため、こうなると記憶もおぼつかず、
把握し理解するのも困難になる。
 結果、毎日のやり取りを帳面に記すようになり、
要人同士の会話であるため、第三者にいちいち
知らせるわけにも行かないが、不明な点などは
それとなく周囲の者にも聞くようになった。
 母親のお米(よね)殿は、先々代当主当時の
家老の娘で、政治には無関心らしく、もっぱら
女性達で集まっては、和歌やら何やら趣味に
勤しみ、宗善に対しては放任といった調子だった。
「父母共に口うるさくてよいか?」
と、本人としては過干渉を戒め遠慮しているらしい。
 宗善はそんな親子関係を可もなく不可もなし、
と納得している。
 それよりも、親子から師弟であり上司と部下の
関係に変わったような左兵衛と宗善が、この後更に
役割の変化を迎えるだろうことを考えれば、
その重責が気がかりである。
(長い雑巾掛けだったが、それはそれで
楽だったとすべきか・・・・)
 宗善は、三十も半ばになって、
ようやく独り立ちした気分だった。



by huttonde | 2018-07-07 08:15 | 漫画ねた | Comments(0)
戦国物語 二十一
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足軽六蔵奮闘記 二十一

 梶谷内膳佑宗善(かじや ないぜんのすけ むねよし)
の献策により、豊地、須田、茅部の東部三城による
東南諸侯調略が始められた。
 それまで三城は戦を仕掛けてきた須木江と屋久両家
との対戦に専念していたが、須田は須木江、豊地は
屋久を相手に、当主やその家臣達へ書状をもって反神保
からの転換、離脱を促し、両家と結ぶ周辺勢力へも同じく、
宗善は、それ以外の周辺諸侯へも同様に働きかける
役目を担っている。
 無論、相手は敵であり、書状で望み通りに
なることは考えにくい。
(当てにならぬは承知、数でこなして当たりを
引けばいいさ。大いに誘ってひっくり返そう)
 宗善は泰然として笑みを浮かべた。
(敵の不利になりつつある現状そのものが敵への圧力だ。
各個撃破が進めば、反神保勢は遠からず壊滅、滅亡する。
そうなる前に敢えて助け舟を出してやったようなものだ)
 須木江も屋久も他も一枚岩ではないだろう。
家中でも意見は割れ、対立もあり得る。周辺との関わり
は昨日今日ではなく、しがらみもあり、安易に転換は
出来ないが、さりとて裏切られる可能性もあり、
生き延びるにはしがらみを断ち、義理を欠く必要も
あるだろう。必然、反神保連合は疑心暗鬼に陥る。
 宗善としては、敵方がこちらの真意を理解し、
今後の方針を変えて神保への敵対をやめてくれたら
良しで、言ったもん勝ち、忖度せず、残るか消えるか
選べ、であり、これを脅しと取るか誠意ある要請と
見るかはそれぞれである。
「早くしないと〜消えちゃうぞ〜、と」
 宗善は敵の方針転換と内部分裂、対立を楽しみに
調略相手と書状内容を決め、代筆は本城の
祐筆達複数に命じた。

 豊地勢代表の高木十蔵尚芳も、宗善の調略に賛同して
屋久調略に乗り出すことにしたが、戦での決着を捨てる
わけではなく、脅し、なだめすかして、聞かなければ
攻めてやればいいという強気に変わりはない。
(大膳様であれば、笑って調略無用と
退けたやもしれんな・・・・)
 とはいえ、豊地勢も連日の出陣では費用が嵩む。
宗善が関与するまでは、坂原のように戦場での活躍を
考えていたが無理は出来ず、やはり戦わずして勝つが
上策であると十蔵も思い直すようになった。
 何よりも、城主義正に代わって戦場を仕切っていた
坂原の出奔は予想外であり、豊地勢、神保方への
裏切りである。
 厳密には行方不明だが、密かに屋久か須木江に
唆されて走ったのであろうと家中では噂され、
坂原の名を出すことは憚られた。
 坂原の一番弟子とも評された十蔵としては解放感と
失望が相まって、坂原の手法、役割に距離を置きたい
との考えもあり、
(ここはひとつ、大膳式より左京式といったところか・・・・)
と、これまでとは違う戦への取り組みを
意識するようになっていた。



by huttonde | 2018-04-21 14:20 | 漫画ねた | Comments(0)